写真や顕微鏡に関するメモ

高度な内容は何もありません。初めての人が文献などを見て取り組もうというときに引っかかりやすいこととか、自分が何をやっているのかを理解する裏付けとなる理屈とか。同じ説明通りに手を動かすのでも、その操作にどういう意味があるのかを理解しているのとしていないのとでは大違いですから。何たって気分がいい(ぉぃ)。まあ理解といっても「分かったような気分」レベルなんですが、たとえば精度がいるポイントと流していいところとの区別が付けば実用的な意味はあります。

顕微鏡とデジカメ写真とに分けましたが、あんまりうまくないですね。またまとめるかも知れません。最初の項目を書いたのが2007年か2008年くらいなので、古くなっているところもあります。気がついたら補っていきますが、元々最新情報はあんまりないので影響は少ないでしょう。


顕微鏡について

正しいピントの合わせ方とか、顕微鏡の使い方についての基礎知識が本当に腐朽普及しているかどうか。見たいものが必要なだけ見えればそれでいい、とはいえ顕微鏡のポテンシャルを引き出さないのはもったいないことです。本当はもっとよく見えるかもしれません。セッティングの善し悪しで観察の能率も違ってきます。マニュアルくらい読んでますよね。読んでいてほしい。万一読んでなかったら必ず読んできちんと調節しましょう。あと「新版 顕微鏡観察シリーズ1 顕微鏡観察の基本」(別にこれでなくてもいいですがちゃんとした入門教科書)も。ただ、さすがに1998年の本なので、少し古いところがあります。例えば、無限遠補正光学系が出てきません。それでも基本を一通り押さえるためには今でもおすすめできます。

ネット上の情報は、ゼロ年代には数えるほどしかなかったのですが、例えば有名な個人サイト「八王子のきのこ」のきのこノートというページにはたくさん紹介されています。日本顕微鏡工業会とかいくつかの大学の関係の研究室(たとえば東北大阪大学の石島研究室「研究に必要な理論・計算」)、顕微鏡専門店にもまとまった情報を紹介しているサイトがあります(たとえば大野顕微鏡)。その後、メーカーサイトにも解説ページが置かれるようになりました。(ニコン「顕微鏡の基礎知識」オリンパス「顕微鏡を学ぶ」)。2010年代になってずいぶん情報が増えたので、このページはもう用済みかも知れません。

なお、ここでは研究用グレードの顕微鏡の話に絞ります。「ケーラー照明内蔵」程度。反射鏡照明のいわゆる「理振法」グレードのものは扱いません。個人的に無限遠補正光学系に移行する前くらいの古い世代の機材を常用しているので、そのあたりが中心です。それで用が足りるので。それしか知らないともいいます。この頃の機材はまだたくさん生き残っているし、新しい世代の顕微鏡に更新されて払い下げられるものもあり、オークションを活用すれば個人でも手が届くかもしれません。レイマーなどからレンズを含め新品の供給もあります。とはいえ我々あるいは大学等の予算が少ない研究室で中古品の調達が認められるかどうかは分かりませんけれど。互換性を理由にすればあり得るかな?


# ラッキー!!「顕微鏡標本の作り方」田中克己(裳華房1954)を入手!これぞ棚ぼた!!個人持ちじゃないけれど。とか言っていたら2冊目ゲット。こっちは書き込み多いけど個人蔵書をいただいた。あとPlant Microtechnique and Microscopy (1999) ISBN-13: 978-0195089561 も超よさげ。


デジカメ写真について

デジタルカメラで実験記録を取ることはごく普通のことになりました(ほら古い)(今時カメラと言えばデジタルでしょ)が、ちょっとした工夫が役に立つことも。あんまり写真趣味じゃない人向けです。写真趣味の人ならここに書いてある程度のことは言われるまでもなく自力でできるでしょう。

書いて15年も経つと、さすがに古くなっていますね。フォーカス合成なんて標準機能になりつつあるし。


フィルム写真について

「フィルムカメラには写真の大切なすべてのことが詰まってる、でも多くの人がそれに気づかないんだ」

写真がもっとすっとシンプルだったフィルムカメラの時代に、どうしても必要だった大切なことだけを、簡単に、整理のために。と思っていたけれどやっぱり与太話だらけに。

何だか最近はフィルムカメラが趣味として見直されているという話も聞きます。そういう方のお役にも立てば幸いです。

写真の超絶ド基礎知識(目次)