豆電球をLEDに改造する方法

最近では豆電球互換(E10ソケット適合3V駆動など)のLED製品もよく売られているが、形状が微妙に違ったりしてうまく使えないこともある。波長などの問題で特定のLEDを使いたい場合もある。そういうときのために。ミクロワールドサービスさんのNikon Hのページに載っているのとおそらく同等のものを作る具体的な方法。

1.単にLEDに入れ替える方法(制御回路は電源側に用意)

この方法は、電源側を改造して電圧・電流制御回路を組み込んだ上で、電球ソケットにLEDを電気的には直結状態ではめ込むもの。電球自体の改造は一番シンプル。豆電球さえ手に入るなら各色のLEDを直接半田付けしたものを揃えるのが楽でよい。

用意するもの

材料

工具類

豆電球をアルミホイルなどにくるんで、割る。容赦なく割る。これでタマの部分は取り除ける。次に、金属部分をラジオペンチの根元の方を使って変形させる。元に戻す必要があるため、潰しすぎないように。複数方向から軽く潰してガラスを破砕。これで残りのガラスも全部取り出せる。取り出したらソケットにきちんとはまるよう形を整える。フィラメントを支える金属線を留めているガラス玉も、ラジオペンチで握りつぶして砕く。破片が飛び散らないように注意。

充填材もできる範囲で取り除く。大事なのは電球の底からのライン。電球の縁からのラインはあとで半田付けで再生できるのでどうでもよい。むしろ取り除いた方が楽。余分なものがなくなって電球の底からのラインだけがむき出しになったら、熱収縮チューブでラインを被覆する。チューブを加熱するのにトーチタイプのライターが有効。

同じくらいの長さのリード線を縁に半田付けする。縁からのラインを残しているなら底からのラインと同様に被覆する。LEDを直付けするなら、この段階で充分短く足を切って半田付け。ソケットで差し替え可能にするなら、まずはソケットを2ピン分半田付け。一般のものではなく差し込み深さが浅いタイプが必要。ただし差し替え可能にすると差し替え時に極性間違いを起こしやすくなる。LED直結にしたものを複数用意する方を推奨。

半田付けがすんだら、電球の底をホットボンドで埋めて、固まる前にLEDなりソケットなりを押し込む。一発で角度が決まらなかったら、ライターであぶればやり直しがきく。

これで完成。電流制御回路付きのソケットにはめて使う。

日本光学工業の携帯顕微鏡Hは単三2本の電池ボックスを内蔵しているので、昇圧型定電流レギュレーターを本体に内蔵して豆電球は単純にLED化した。

白色LEDの本質は「内蔵する青色LEDでシンチレーターを励起する蛍光灯」。一方で、青、緑、赤などシンチレーターを使わないLEDもある。これらは、製品にもよるが半値幅(光度がスペクトル中心の半分になる波長の幅)の狭い光源として利用できる。半値幅が狭いと色収差を回避できるし、短い波長を使えば理論上は解像度の限界が上がる。2014年時点で一般に手に入る紫外LEDが出せる波長は390nm程度なので蛍光観察には不足だが、将来は蛍光用の励起光として利用できるようになるかも知れない。

2.LEDと制御回路を豆電球に入れ込む方法

これはおまけ。この方法は、6V以上の電源が使えるなど降圧レギュレーターだけで白色系LEDが点灯できる場合に用いることができる。ただし、かなり細かい細工が必要になる。

材料に定電流源デバイスを追加。たとえば秋月電子通商で扱っている定電流源IC(20mA) NSI45020AT1Gなど。電源電圧によっては定電流ダイオード(CRD)でもよい。CRDは電圧が充分高くないと定格の電流値とならない。Vf(順方向電圧) 3.6VのLEDを点灯させるなら、最低でも6V、できれば9Vあった方がよい。5Vまでであればむしろ抵抗で電流制限を行った方がよい。

加工方法は1.と同じ。ソケットと両立はスペース的に困難。縁からのリード線の途中に定電流源デバイスを挟み込む。ホットボンドで固定して完成。