砂の中から採集した比較的若いものは白から薄ピンク色、露出していたところはやや褐色になっています。大きめで赤褐色に変色しているものはマツの根元にたまった腐植の下にあったもので、表面にバクテリアやかびが発生してぬるぬるしており、ナメクジの食害を受けているものもあります。一番左のものは老菌から残骸で、破れたきのこの中に褐色のどろどろした液体が見えますが、ショウロは完全に老熟して自己消化を起こすとこうなります。この液体は大量の胞子を含んでいます。内部がこのステージに達すると強烈な臭いを放つようになります。
定規の120の数字の近くの割れているものには、右下にひものようなものが見えます。これは根状菌糸束で、表面を細い菌糸が覆い、内部に太い道管状菌糸を持っています。ショウロの学名は Rhizopogon rubescens ですが、属名の Rhizopogon は rhizo(根)+pogon(髭)という意味で、このように根状菌糸束をまとうところから来ています。また、種小名の rubescens は「赤くなる」という意味で、新鮮なものは触ると薄赤くなるところから来ているのでしょう。最近はR. roseolusのシノニムとすることもあります。その方が多いかな。