被写体を中心に入れてシャッターボタンを半押しして露出とピントを固定、そのままアングルを決めて、レリーズ!(シャッターを切ることね;封印解除じゃありません)
最近のカメラは全部お任せでいいそうですが、多少ともコントロールしたい場合にはこの操作は基本中の基本で、たぶんJISとかで決まっているわけではないでしょうが、どこのメーカーでもだいたい一緒みたいです。でもこれより突っ込んだことをやる方法もいくつかあります。
ところで、「露出」って意味分かりますよね。いや、物心ついて以来フルオートのカメラしか使ったことがないとこんな概念知らなくても困らないので、もしかしたら知らない人もいるかと思って。要するに撮像素子にどれくらい光を当てるかということです。もちろん撮像素子でちゃんとした象が捕れる像が撮れる光の量の幅は決まっています。強すぎると飽和して白飛びし、弱すぎると閾値以下で真っ黒というかノイズに埋もれます。素子に当たる光が適正範囲に収まるように、撮影対象を照らす光の明るさに応じてレンズの絞り(有効口径)とシャッタースピード(露出時間)を決めてやる必要があります。その関係は相反則といって、同じ明るさなら口径が大きいほど短時間の露出ですみ、口径を絞って少しの光しか入らない状態にすると長時間の露出が必要になります。被写体の明るさに応じて絞り値とシャッタースピードとを決めるのが、露出を決めるということです。絞りは絞るほど(絞り値Fの値が大きいほど)被写界深度が深くなる、つまりピントの合う範囲が広くなりますが、レンズの口径を絞るわけですから当然露出時間を長くする必要があります。そうすると屋外では風の影響が無視できなくなることがあります。等々、このあたりも奥が深いのですがとりあえずそれは置いておいて。
いきなり理想論:入射光式露出計を使用してマニュアル露出で撮影する。ってそんなんふつー持ってへんがな。もし持っているなら、植物やきのこにはこれが一番です。でも普通はカメラ内蔵のTTL露出計しか使えませんね。
ちょっと多機能なカメラなら(1):スポット測光を使用する。ニコンE990では測光・フォーカスのターゲットエリアを5点から選べて結構便利です。なので古いカメラにもかかわらず今でも使っているのですが、スポット測光できのこの表面の明るさを直接測ると比較的失敗が少なくなります。→さすがに2014年限りでリタイヤ、ニコン1 V3に置き換えました。RTCバックアップバッテリーとスイッチの一つがダメになってしまった、のはE950か。E990は一時的に電源が入らなくなった上に、樹脂部品が欠けて電池ボックスのロックができなくなったので。
ちょっと多機能なカメラなら(2):ブラケティング露出を行う。露出決定が難しい被写体の場合、ブラケティング(露出を前後させて複数枚撮影)撮影を行って一番よい絵を選ぶという方法があります。デジカメの場合、フィルムと違って枚数を気にする必要があまりありませんから、気楽にブラケティングができます。ちょっと多機能な機種なら自動ブラケティング機能があることが多いので、マニュアルを見てやり方を覚えておくといいでしょう。
露出補正の活用:スポット測光や自動ブラケティング露出ができなくても、露出補正機構がついていれば方法はあります。露出補正機構を使って1-2段変える操作を手動でやってもどうということはありません。きのこや植物の場合、暗い地面に引っ張られてオーバーになりがちですから、マイナス補正が正しい場合が多いでしょう。オートだと大抵きのこは白く飛んでしまうので、マイナス2段くらいまで(場合によってはもっと)の範囲で何枚か撮っておきます。リコーの「工事現場カメラ」にもこのくらいの芸はありました。こちらもニコンAW120に置き換わったところです。
昔は「被写体の脇に自分の手の甲をおいてそこで露出を合わせる」なんて技を使ったものです。もちろん標準反射板代わりという意味で。でも今時ニコンFM2みたいなフルマニュアルカメラのテクニックはあまり役に立ちません。基礎が身につきすぎて自動機械が思うとおりに動かないのが嫌になることもあったりして。機械をだまして思い通りに動かすのにならたまに役に立ちます。