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セロファンは親水性で透明で半透性でと独特の性質を持った素材でしかも安価ですが、市販されている状態では(柔軟剤として?)硫化物を含んでいます。濡らして匂いをかぐとそこはかとなく温泉風の匂いがして分かるかも知れません。用途にもよりますが生体に直接触れるには好ましくない場合もあります。これを抜く方法です。透析膜の取扱説明書にあった方法で、他でも見たのでまあこんなものでしょう、という方法ですが、私は自分の実験についてはこれでやってます。
まず一晩流水洗します。次に、80℃に暖めた0.3%の硫酸ナトリウム水溶液に1分間漬けます。そのあと60℃のお湯で2分間洗います。再び80℃の、今度は0.2%の硫酸ナトリウム水溶液に1分間漬けます。最後にもう一度60℃のお湯で2分間洗います。
これで硫化物が抜けるそうですが、抜けたセロファンは湿潤状態で取り扱う必要があります。乾くと柔軟性を失ってカピカピになってしまいます。何かが抜けたらしいことがよく分かります。
なお、セロファンには「普通セロファン」と「防湿セロファン」の2種類があり、親水性などの性質を活かすには普通セロファンを使います。うっかり何も書いていないのを買ってきたら防湿セロファンで、表面に結露してなにやってんだか、みたいなこともありました。普通セロファンと明記されたものを使いましょう。あれで紙の一種の扱いなので、画材店など紙素材を扱う店で手に入ります。