博士課程に進学する・した大学院生へ

おすすめおよび参考図書
研究界について書かれた本ではないが、今の若手(研究者)の状況を理解するのに役立つ。

  • 科学者とは何か、村上陽一郎、新潮選書
  • お恥ずかしながら、やっとこの歳で村上陽一郎を初めて手に取った。研究者として視野が狭くなっている今日この頃、研究者というものを改めて考えさせられる。ついでにいうと、この本や、地球環境問題とは何か(米本昌平、岩波新書)にもあるように、環境問題の特殊性が科学変革の引き金であり原動力のようだ。

  • 切磋琢磨するアメリカの科学者たち、菅裕明、共立出版
  • アメリカという国は、システムを作るのが本当にうまい国だと常々思う。それにくらべて日本は。。。/ 大学院でしっかりしたトレーニングを受け、独立後もアメとムチ、そして失敗から学べるフィードバックのあるシステムで切磋琢磨している向こうの研究者と戦えるの、僕たち?と思う反面、まあこんなひどい状況の中で日本の研究者は善戦してるんじゃない、と思った。

  • グリンネル研究成功マニュアル-科学研究のとらえ方と研究者になるための指針、Frederick Grinnnell, 共立出版: おすすめ度***
  • 成功マニュアルというと大げさですが、もとのタイトルはThe scientific Attitude.海外の研究者環境、研究者の心構えがのってます。

  • 科学研究ガイド、R. J. ベノイン, 化学同人
  • これから論文を書く若者のために, 酒井聡樹, 共立出版: おすすめ度***
  • 若手研究者は読むべし。

  • アメリカの大学院で成功する方法、吉原真里、中央公論新社: おすすめ度***
  • アメリカの大学院、研究者事情がわかるだけでなく、博士論文への取り組む方が載っている。博士論文が終わってから読んだが、かなり納得。大学院生にはおすすめです。

  • 科学者をめざす君たちへ 科学者の責任ある行動とは、米国科学アカデミー編、池内了訳、化学同人: おすすめ度***
  • アメリカの大学で、研究者を目指す学生の授業で使用されていると思われる本。科学における利害衝突、不正行為など、アメリカらしく、こういう事にちゃんと向き合って議論させる本。薄いので、是非一読を。

  • 理系のための研究生活ガイド、坪田一男、講談社Blue Backs
  • ボスの選び方、研究テーマの選び方、時間の使い方、研究費の集め方などがのっている。研究生活ノウハウ本。

  • 理工系学生のためのキャリアガイド―職業選びに失敗しないために、米国科学アカデミー編、小川正賢訳、化学同人
  • またまたアメリカらしい本。自分の将来・キャリアをしっかり考えないとね。

  • 若き科学者へ、メダウォー、みすず書房
  • ちょっと小難しいところもあるが、一気に読める科学研究の仕方についての指南書、若き科学者へのメッセージ本。いい本です。

  • サイエンティストゲーム (Winning the games scientists play)、カール・J・シンダーマン、学会出版センター
  • 科学をゲームプレイ、科学者をプレーヤーとし、ゲームを勝つための(すなわち科学の分野で優れた業績を上げるための)本。人間関係の重要性と、プレゼンテーションの重要性が強く印象に残った。

  • 続サイエンティストゲーム (Survival strategies for new scientists)、カール・J・シンダーマン、学会出版センター
  • 上記の本の続編。題名からわかるように、より若手向きの本。研究室での立ち振る舞い、投稿、会合、公募、若きゲームプレーヤーにはどうすればいいのかわかんないことがいっぱいです。

  • 博士号とる?とらない?徹底大検証!、白楽ロックビル、羊土社
  • 博士をとっちゃってから読んだんだけど、博士に進む前に読んでたら、博士課程には進まなかったかも。年々厳しくなる研究者環境。オーバードクター問題は社会問題となるでしょう。ドクター進学を考えている人には一読を勧めます。案外一番ショックだったのは、お医者さんは圧倒的に給料が高い、圧倒的に。あと、日本て科学技術立国とかいうくせに、科学者の評価はとっても低い。どっちも当たり前なんですけどね。

  • 研究者、有馬朗人他、東京図書
  • 第一線で活躍する日本人研究者のエッセイ・メッセージ集のようなもの。なかなかおもしろい。一番印象に残っているのは野依教授の「研究とは価値の発見である」という言葉かな。


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