四国産爬虫類目録

 このサイトでは、四国で見られる爬虫類について解説しています。

 

四国地域の環境

四国産の爬虫類の概要

四国爬虫類リスト

四国産爬虫類のごとの解説

文献リスト、参考URL

 

 

 四国地域の環境

 

 四国は日本列島の主要4島の中ではもっとも小さく、18,298km2で、これは世界の島の中で50番目の大きさです。しかし、面積が狭いにもかかわらず、海岸の亜熱帯植生から山岳域の亜高山帯植生まで多様な環境に恵まれています。

年間降水量は、瀬戸内海側では約1,200 mmと少ないですが、太平洋側では約2,500mmとなり、山岳部では4,000mmを越える場所もあります。

瀬戸内海側には平野部が多く、起伏量の小さい山地もみられ、瀬戸内海には小豆島をはじめ、多くの島があります。一方、四国中央部に東西に伸びる四国山地から太平洋側にかけて急峻な斜面の山地が広がり、森林に覆われていますが、その大半はスギやヒノキの人工林や、かつて薪炭林として利用されてきたシイ・カシ類の二次林で、人間による影響の少ない自然林はほとんどありません。瀬戸内海側、太平洋側とも平野部は農地や市街地として人為的に利用されています。

 

 

 四国産の爬虫類の概要

 

 爬虫類とは、分類学上、脊椎動物門Chordata爬虫綱Reptiliaに属する生物です。現生種はカメ目Testudines、ムカシトカゲ目Sphenodontia、有鱗目(トカゲ類、ヘビ類)Squamata、ワニ目Crocodiliaに区分されています。このうち、四国にはカメ目と有鱗目の種が生息しています。

 四国産のカメ目は、陸生カメ類が7種(うち5種は外来種)、ウミガメ類が5種です。有鱗目では、トカゲ亜目(トカゲ類、ヤモリ類)が6種(うち2種は外来種)、ヘビ亜目は陸生ヘビ類が9種(うち1種は外来種)、ウミヘビ類が3種です。

 なお、ここでは現生種のみを扱うこととし、化石で出現する種は含みません。また、ウミガメ類とウミヘビ類は四国の海岸に上陸するものと沿岸で記録されたものを含みます。また、外来種については、四国の野外で記録された種を扱っており、定着していないと思われるもの(飼育個体の一時的な逸出とみられる種など)も含みます。

 

 四国産爬虫類リスト

和名、学名は日本産爬虫両生類標準和名リスト(2019117日版)(日本爬虫両棲類学会2019)に従いました。

 

 

-1.四国産爬虫類目録

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

レッドリストのカテゴリー

種(亜種)

学名

備考

徳島北部

徳島南部

香川本土

香川島嶼

東予

中予

南予

高知東部

高知中部

高知西部

環境省

徳島

香川

愛媛

高知

カメ目

ウミガメ科

アオウミガメ
(亜種アオウミガメ)

Chelonia mydas mydas

VU

DD

VU

アオウミガメ
(亜種クロウミガメ)

Chelonia mydas agassizii

アカウミガメ

Caretta caretta

EN

EN

CR+EN

CR+EN

タイマイ

Eretmochelys imbricata

EN

ヒメウミガメ

Lepidochelys olivacea

オサガメ科

オサガメ

Dermochelys coriacea

イシガメ科

クサガメ

Mauremys reevesii

移入

ニホンイシガメ

Mauremys japonica

EN

NT

VU

注目

ハナガメ

Ocadia sinensis

移入

ヌマガメ科

アカミミガメ(亜種ミシシッピアカミミガメ)

Trachemys scripta elegans

移入

カミツキガメ科

カミツキガメ(亜種ホクベイカミツキガメ)

Chelydra serpentina serpentina

移入

ワニガメ

Macrochelys temminckii

移入

スッポン科

ニホンスッポン

Pelodiscus sinensis

DD

留意

DD

DD

DD

有鱗目

ヤモリ科

タワヤモリ

Gekko tawaensis

NT

VU

NT

NT

DD

ニホンヤモリ

Gekko japonicus

ミナミヤモリ

Gekko hokouensis

移入

イグアナ科

グリーンイグアナ

Iguana iguana

移入

トカゲ科

ニホントカゲ

Plestiodon japonicus

NT

カナヘビ科

ニホンカナヘビ

Takydromus tachydromoides

メクラヘビ科

ブラーミニメクラヘビ

Indotyphlops braminus

移入

タカチホヘビ科

タカチホヘビ

Achalinus spinalis

NT

DD

DD

ナミヘビ科

ジムグリ

Elaphe conspicillata

NT

DD

アオダイショウ

Elaphe climacophora

シマヘビ

Elaphe quadrivirgata

ヒバカリ
(亜種ヒバカリ)

Hebius vibakari vibakari

?

NT

DD

シロマダラ

Dinodon orientale

?

NT

DD

ヤマカガシ

Rhabdophis tigrinus

NT

コブラ科

クロガシラウミヘビ

Hydrophis melanocephalus

マダラウミヘビ

Hydrophis cyanocinctus

エラブウミヘビ

Laticauda semifasciata

VU

 

クサリヘビ科

ニホンマムシ

Gloydius blomhoffii

 

 

 

 

DD

 

◯:確認記録がある

△:まれに来遊する可能性がある

□:記録があるが定着しているか不明

?:生息すると思われるが記録がまだない

 

 

 

 四国産爬虫類の種ごとの解説

(*:外来種)

 

カメ目

 

アオウミガメ(亜種アオウミガメ)

IMG_4335ウミガメ科アオウミガメ属。甲長70-120cm程度の大型種。

太平洋、大西洋、インド洋、地中海の熱帯から温帯域の海域に生息する。採食を行う地域と産卵地の間を回遊する個体群があり、1000km以上を回遊することもある。日本ではおもに小笠原諸島で産卵するほか、南西諸島でも産卵することが知られている。

四国の太平洋岸は採食海域であると考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アオウミガメ(亜種クロウミガメ)

(写真:準備中)

ウミガメ科アオウミガメ属。甲長70-80cm程度。

東太平洋(メキシコ東部、ガラパゴス諸島、ハワイ諸島など)沿岸に生息する。形態・生態はアオウミガメに似るとされるが、背面の色彩が一様に黒く、各甲板縁の色彩も異なる。アオウミガメと比べると小柄である。近年、国内でも八重山諸島などで観察例が増加している。

日本近海に迷行する可能性があり、室戸市で記録がある。

 

 

アカウミガメ

image004ウミガメ科アカウミガメ属。甲長65-105cm程度。

太平洋、大西洋、インド洋、地中海に生息する。このうち、北太平洋個体群はおもに日本列島で産卵する。成長過程で海流に乗り長距離を移動し、日本で生まれた個体がメキシコのカリフォルニア半島沖まで回遊することが知られている。

四国ではおもに徳島県と高知県の海岸に上陸して産卵するほか、香川県と愛媛県でも記録されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

image006 

 

 

 

 

 

 

タイマイ

(写真:準備中)

ウミガメ科タイマイ属。甲長50-90cm程度。

太平洋、大西洋、インド洋の熱帯の沿岸域に生息し、日本では南西諸島で少数の個体が産卵する。かつては、本種の甲羅が鼈甲細工の原料とされたが、生息数が減少したため、1977年に種としてワシントン条約附属書Iに掲載されて国際取引が制限され、1993年には本種の日本への甲羅の輸入が禁止された。

四国の太平洋沿岸域に来遊する可能性があり、土佐清水市産とされる標本があるほか、室戸市と愛媛県愛南町で記録がある。香川県では1970年代に沖合で記録があり、まれに瀬戸内海を来遊すると考えられる。

 

 

ヒメウミガメ

(写真:準備中)

ウミガメ科ヒメウミガメ属。甲長50-70cm程度。

太平洋、インド洋の熱帯域に生息する。ウミガメ類では小型種。背甲はやや短いミノ形で後部先端は丸く、甲高は分厚い。かつては本種とアカウミガメが混同されていた。

四国では室戸市で記録がある。日本近海に迷行することがあり、新潟県、福岡県で採集された事例がある。

 

 

オサガメ

image008オサガメ科オサガメ属。甲長120-190cm程度で、現生のカメ目では最大級の種。甲羅は発達せず、ゴム状の皮膚で覆われている。

太平洋、大西洋、インド洋、地中海に分布して、熱帯から温帯の外洋に生息する。最も高緯度まで回遊するウミガメで亜北極海でも稀にみられる。おもにクラゲを食べる。

日本沿岸にも来遊することがあり、四国では高知県室戸市産と愛媛県関前村(現今治市)産の標本があるほか、高知県黒潮町で捕獲された記録がある。香川県では昭和初期に沖合で記録があり、まれに瀬戸内海を来遊すると考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クサガメ*

image010イシガメ科イシガメ属。甲長15-25cm程度になる。頭部は暗褐色で、黄色や薄黄緑色の不規則な斑紋が入る。背中に3本の筋状の盛り上がり(キール)がみられる。成熟したオスでは斑紋が消失し、全身が黒色から黒褐色になる。河川、池沼、水田などに生息する。

日本では北海道から南西諸島に生息しており、かつては在来種と考えられていたが、国内での化石の発見例がない、江戸時代中期以前には本種に関する確実な記録がない、江戸時代や明治時代では西日本や南日本のみ分布していたことなどから、朝鮮半島から人為的に移入された外来種と考えられている。遺伝学的な研究では、四国の個体群は中国近畿の個体群ともに朝鮮半島の個体群と同じ遺伝的グループに含まれ、遺伝的な違いが極めて小さいことが示されている。

原産地は中国東部から南東部および朝鮮半島、台湾。現在、四国では各県の平地に普通にみられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニホンイシガメ

image012イシガメ科イシガメ属。甲長10-20cm程度になる。背中に筋状の盛り上がり(キール)がみられる。幼体はゼニガメと呼ばれる。河川、池沼、水田などを生息場所とする。

本州、四国、九州に分布する日本固有種。四国では各県の平地の水辺周辺に生息するが,香川県本土や徳島県南部では少ない。外来種であるミシシッピアカミミガメとの生息場所の競合などのため、本種の減少が懸念されている。遺伝学的な研究では、四国の個体群は本州と同じ遺伝的グループに含まれるが、九州・山口県の個体群とは異なる遺伝的グループであることが示されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナガメ*

(写真:準備中)

イシガメ科イシガメ属。甲長24cm程度になる。背甲は細長く、褐色で、幼体では黄色みが強い。背甲に3本のキールがあり、左右2本は成長すると目立たなくなる。側頭部には黒く縁取られた白線が走る。河川、池沼などに生息する。

ニホンイシガメやクサガメと交雑することから、ハナガメだけでなく、これらの交雑したカメも特定外来生物に指定されている。

原産地は台湾、中国南部、ベトナム北部など。四国では2017年に愛媛県松山市の河川でハナガメおよび本種とクサガメとの交雑が疑われる個体が確認された。

 

 

 

アカミミガメ(亜種ミシシッピアカミミガメ)*

アカミミガメIMG_8989-1 ヌマガメ科アカミミガメ属の外来種。甲長20-25cm程度になる。背甲は淡緑色から濃緑色で、黄色く細い複雑な模様がある。幼体はミドリガメと呼ばれる。オスは老齢に伴いメラニズム化(黒化)する傾向が強く、別種のように見える。また、成熟したオスでは前肢に長い爪が目立つ。河川、池沼などに生息する。河口など汽水域でみかけることもある。

原産地はアメリカ中南部からメキシコであるが、日本、中国、オーストラリアなど各地に移入されている。日本では各地で飼育個体の遺棄に由来すると思われるものが生息しているが、日本生態学会により日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている。日本で最もよく見かけるカメとなっており、四国でも各県の水辺に普通にみられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カミツキガメ*

(写真:準備中)

カミツキガメ科カミツキガメ属の外来種。甲長30- 50cm程度になる。最大で体重30kg以上になる大型の種である。背中には3本の筋状の盛り上がり(キール)が発達する。おもに淡水域に生息するが、汽水域にいることもある。

原産地は北米(アメリカ、カナダ南部)から中米、および南米北部である。冷温帯から熱帯まで分布する。日本では基亜種ホクベイカミツキガメが外来種として千葉県印旛沼水系などに定着している。大型で食性が幅広く在来種への影響が懸念される。日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている。

四国では4県とも野外で確認されたことがあるが、定着しているかどうか分からない。

 

 

ワニガメ*

(写真:準備中)

カミツキガメ科ワニガメ属の外来種。甲長80cm程度になる大型種。最大で体重100kg以上になる大型の種である。背中には3本の筋状の盛り上がり(キール)がよく発達する。河川や湖沼に生息する。

アメリカ合衆国の固有種。ペットとして飼育されるため、日本では飼育個体の逸出と思われるものが見つかることがある。四国では4県とも野外で確認されたことがあるが、定着していないものとみられる。

 

 

ニホンスッポン

image016スッポン科キョクトウスッポン属。甲長30-40cm程度になる。他のカメと異なり、甲羅表面は角質化せずに軟らかい。河川、池沼などに生息する。

日本では本州以南に分布するが、食用として養殖されるため、養殖場からの逸出に由来する個体群と自然個体群の両方が生息すると考えられる。遺伝学的な研究では、日本列島のスッポンには在来の種と養殖個体に由来する外来起源の種の2種が含まれていることが示されている。

四国では各県の平地の水辺に生息する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有鱗目

 

タワヤモリ

image018ヤモリ科ヤモリ属。全長9-12cm程度。背中と四肢、尾は細かい鱗に覆われており、大型の鱗が混じらない。側肛疣(ゆう)は1対で、前肛孔はない。

本州(近畿、中国)、四国、九州に分布する日本固有種。和名は模式標本の産地である香川県多和村(現在のさぬき市の一部)にちなむ。

四国ではおもに海岸から山間部にかけての岩場に生息するが、市街地にはみられない。岩場や樹皮の隙間、人家の壁などでみられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニホンヤモリ

image020ヤモリ科ヤモリ属。全長10-14cm程度。体は灰褐色で、不鮮明な斑紋があるが、環境に応じて体色の濃淡を変化させることができる。全身が細かい鱗に覆われ、背面と四肢、尾には大型の鱗が散在する。側肛疣は2対から4対で、前肛孔を有する。

中国、朝鮮半島、日本(本州、四国、九州)に分布する。日本の在来種とみなされてきたが、近年の研究により、平安時代以降に中国から持ち込まれた外来種である可能性が高いことが示唆されつつある。

四国ではおもに平野部から里山などの人家周辺に生息し、家屋の壁や天井裏などなどでみられるほか、海岸近くの岩場にも見られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミナミヤモリ*

image022ヤモリ科ヤモリ属。全長10-13cm程度。体色は灰褐色であるが、環境に応じて体色の濃淡を変化させることができる。全身が細かい鱗に覆われ背面と尾には大型の鱗が散在するが、四肢にはみられない。側肛疣は1対で、前肛孔を有する。二次林や防風林などの比較的開放的な森林や構造物に生息し、樹皮の隙間や樹洞などに潜んでいる。

中国南部、台湾、日本(九州南部および南西諸島)に分布する。日本ではその他に、神奈川県、静岡県、三重県、和歌山県、高知県などにも生息するが、これらは人為的な移入に由来する個体群と考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリーンイグアナ*

(写真:準備中)

 イグアナ科イグアナ属。全長90-130cm程度。幼体は緑色で、成長すると灰黄色になる。体側に黒い縞模様があり、鼓膜の下に大きな円形鱗を持つ。背中にタテガミ状の突起が並び、長い尾にはリング状の黒い横帯がある。

 原産地は中南米、西インド諸島。水辺の森林に生息し、樹上でも活動する。日本では沖縄県石垣島に野生化した個体群が定着している。また、飼育個体の逸出と思われるものが国内各地で確認されている。四国では、高知県高知市、香南市、土佐市、四万十市で保護された記録がある。

 

 

 

ニホントカゲ

image024トカゲ科トカゲ属。全長15-27cm程度。成体は体が褐色で、側面に茶褐色の太い縦縞が入る。幼体は暗褐色で5本の明色の縦縞が入り、尾が青い。

本州西部、四国、九州に分布する日本固有種。かつては東日本産のものと同一種と考えられていたが、2012年に東日本産は別種のヒガシニホントカゲとして区分されるようになった。

低地から高地までの疎林、草原、河川敷などに生息し、日当たりの良い場所を好む。四国では各県に普通にみられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニホンカナヘビ

image026カナヘビ科カナヘビ属。全長18-25cm程度だが、尾は全長の2/3を占め、ニホントカゲよりも相対的に尾が長い。背面は灰褐色、腹部は黄褐色である。

北海道、本州、四国、九州に分布する日本固有種。平地から低山の草原や林縁部などに生息するが、草地に多い。四国では各県に普通にみられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラーミニメクラヘビ*

(写真:準備中)

 メクラヘビ科メクラヘビ属。全長16-22cm程度。一見したところミミズに似ているが、小型のヘビで、体は光沢のある鱗に覆われる。体は灰褐色、もしくは茶褐色。目はあるが非常に小さく痕跡的で、光のみを感じ取ることができるとされる。無毒。オスが存在せず、メスのみで単為生殖をする。

 原産地はアジア南東部と考えられるが、明確ではない。観葉植物の鉢の土壌などに紛れ込んで、非意図的に移入されて、世界の熱帯から亜熱帯域の各地に生息している。日本国内では侵入年代が不明の外来種として、伊豆諸島、小笠原諸島、大隅諸島、南西諸島などの島嶼部に生息するほか、静岡県、長崎県でも記録がある。四国では、2019年に高知市で初めて記録された。

 

 

タカチホヘビ

image028タカチホヘビ科タカチホヘビ属。全長30-60cm。体色は褐色で、正中線上に黒い縦縞が入る。無毒。

おもに森林に生息し、夜行性で、昼間は落ち葉や倒木の下等に潜り休む。他のヘビに比べ乾燥に弱いとされる。昆虫の幼虫やミミズ等を食べる。1888年に高千穂宣麿男爵が発見するまでは日本人に知られていなかったため、和名には彼の名が付けられている(学名は1869年に命名されている)。

本州、四国、九州、中国中・東部に分布する。四国では各地の森林に分布し、比較的個体数は多いものの、生息域は限られるとされる県もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジムグリ

image030ナミヘビ科ナメラ属のヘビ。無毒。全長70-100cm。体色は赤みがかった茶褐色で、黒い斑点がある。幼蛇は赤い体色で黒い斑点がある。

北海道から九州に分布する日本固有種。平地から低山地の森林、草原、水辺等に生息する。地中や石の下によく潜るので、この名がついた。主にネズミやモグラなどの小型哺乳類を食べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アオダイショウ

image032ナミヘビ科ナメラ属のヘビ。無毒。全長100-200cm。胴の直径は5cmほどになる。日本本土では最大のヘビ。体色は主に暗黄褐色からくすんだ緑色。腹板の側方には側稜という強いキールがある。

北海道から九州に分布する日本固有種。平地から山地の森林や農地に生息するが、ネズミを捕食するために、人家周辺でよく見られる。小鳥の卵や雛を食べるために、よく樹上でも活動する。日本本土でよく見かけるヘビの一種。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シマヘビ

image034ナミヘビ科ナメラ属。無毒。全長80-200cm。淡黄色の体に、4本の黒い縦縞模様が入るが、縞がまったくない個体もいる。虹彩は赤みがかる。全身が黒色に体色変異した黒化型はカラスヘビとも呼ばれ、四国では比較的多くみられる。

北海道から九州に分布する日本固有種。森林、草原、河川敷、農地などに生息する。食性は幅広く、ネズミ、小鳥、トカゲ、カエル、ヘビなどを捕食する。日当たりの良い環境を好み、あまり木に登らず、地表を素早く動く。日本本土でよく見かけるヘビの一種。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    image036

 

 

 

 

 

 

ヒバカリ(亜種ヒバカリ)

image038ナミヘビ科ヒバカリ属。無毒のヘビ。全長40-70cmの小型の蛇。体色は淡褐色や褐色で、腹側は黄白色。

亜種ヒバカリは本州、四国、九州に分布する。平地から低山地の森林に生息し、水辺を好む。海辺でみられることもある。魚、カエル、ミミズなどを食べる日本固有種(固有亜種)。無毒だが、かつては毒蛇と誤解されて「咬まれたら命がその日ばかり」と考えられていたため、この名がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シロマダラ

image040ナミヘビ科マダラヘビ属。無毒。全長35-70cmの小型の蛇。体色は淡褐色で黒い横縞が入る。幼蛇の体色は白い。北海道から九州に分布する日本固有種。平地から山地まで生息し、石の下や狭い隙間に潜む。トカゲやカナヘビ、小型のヘビなど爬虫類を食べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤマカガシ

image042ナミヘビ科ヤマカガシ属の毒蛇。全長は60-150cm体色は黒褐色で、側面に斑紋があるが、地域により色彩の変異がある。体鱗にはキールがある。

奥歯に毒牙を有し、毒性は強い血液凝固作用で、血管内で微小な血栓形成を引き起こす。咬傷直後には激しい痛みや腫れはあまり起こらないが、全身におよぶ皮下出血、内臓出血がおこり、重篤な場合は死に至る。

本州、四国、九州に分布する日本固有種。低山から平地の森林や水辺に生息し、主にカエルを食べる。アオダイショウ、シマヘビとともに、日本本土でよく見かけるヘビの一種。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロガシラウミヘビ

(写真:準備中)

コブラ科ウミヘビ属の毒蛇。全長80-140cm程度。体は淡黄色で、黒い帯状の模様が横に入る。

インドネシアからニューギニアまでの海域に分布し、日本では南西諸島の沿岸に生息するが、本州近海で見られることもある。おもにアナゴのような細長い魚類を食べる。胎生で、雌は直接、幼蛇を産む。

四国では、愛媛県西外海村(現愛南町)当木島付近で採集された記録がある。

 

 

マダラウミヘビ

(写真:準備中)

コブラ科ウミヘビ属の毒蛇。全長110-180cm程度。背面は黄褐色で、黒色の帯状の模様が横に入る。

東アジア沿岸からペルシャ湾にかけて分布する。日本では南西諸島沿岸に生息するが、まれに本州付近でみられることもある。おもに魚を捕食する。胎生で、雌は直接、幼蛇を産む。

四国では徳島県阿南市で採集された記録がある。

 

 

エラブウミヘビ

(写真:準備中)

コブラ科エラブウミヘビ属の毒蛇。全長70-140cm程度。体は青く、幼体は鮮やかな色をしているが、成長に伴い褐色味を帯びる。背面には黒い横帯が入る。

本種の毒はエラブトキシンと呼ばれる神経毒で、毒性は強く、噛まれれば最悪の場合死亡する危険性もある。

東シナ海から南シナ海にかけて分布し、日本では南西諸島沿岸に生息する。黒潮に乗って、九州以北に北上することもある。海岸の岩の隙間に隠れ、夜間に海中でおもに魚を捕食する。卵生で、雌は岩の間に卵を産む。

四国では徳島県由岐町(現在の美波町)で採集された記録がある。

 

 

ニホンマムシ

image044クサリヘビ科マムシ属の毒蛇。全長50-70cm程度。全長に比して胴が太く、淡褐色の体に、銭形の模様がある。

毒は出血毒で、咬まれると激痛が襲い、患部が腫れ上がる。咬まれたら速やかに医療機関で抗毒素血清投与などの治療を受ける必要がある。

北海道から九州に分布する日本固有種。森林や農耕地周辺などに生息する。ネズミや小鳥、カエルなど様々な小型脊椎動物を捕食する。胎生で、雌は直接、幼蛇を産む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本文執筆:佐藤重穂

資料作成:谷岡仁・佐藤重穂

写真撮影:谷岡仁

資料協力:稲葉正和宇都宮靖博・金城芳典・斎藤知己・

濱田哲暁・福田和恵・美濃厚志・谷地森秀二(敬称略、五十音順)

 

 

文献リスト、参考URL

 

著者

表題

掲載誌、巻号頁(URL

阿部近一・石井愃義・友成孟宏・木内和美

1989

徳島県における哺乳類,両生類および爬虫類の生息状況

徳島県立博物館開設準備調査報告,(4: 1-53

朝日新聞HP

絶滅危惧種「オサガメ」、高知沖で発見 詳しい生態は謎

https://www.asahi.com/articles/ASM6V43HSM6VPLPB005.html

土手政儀・土手政幸

2014

香川県の淡水カメの生息状況 − 3年間のカメ調査を通して −

亀楽-日本の淡水カメ記録 (7):11.

愛媛県HP

愛媛県庁/愛媛県で問題となっている特定外来生物

https://www.pref.ehime.jp/h25115/biodiversity/alien_species.html

愛媛県土木部都市計画課

1953

渭南海岸

自然公園調査書渭南海岸

愛媛県高等学校教育研究会理科部会生物部門記念誌「愛媛の生物」編集部

2004

愛媛県の両生類・爬虫類

愛媛の生物誌:平成16年度(2004年度)日本生物教育会(JABE)59回全国大会愛媛大会大会誌記念誌  200422-27.

愛媛県レッドデータブック改定委員会

2014

愛媛県レッドデータブック2014

http://www.pref.ehime.jp/reddatabook2014/top.html

愛媛県総合科学博物館HP

話題提供

https://www.i-kahaku.jp/magazine/backnumber/38/02.html

愛媛県総合科学博物館HP

ウミガメの漂着相次ぐ

https://www.i-kahaku.jp/magazine/backnumber/38/04.html

愛媛新聞HP

飼育を放棄? ワニガメ捕獲 松山・石手川20140730

http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20140730/news20140730371.html

愛媛新聞HP

タイマイ 愛南海中散歩 希少種 毎日スイスイ

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/hotnews/ren111201008268201.html

今治市HP

「特定外来生物」について | 環境政策課 | 今治市

https://www.city.imabari.ehime.jp/kankyou/tokuteigairai/

香川県HP

外来生物の防除について

https://www.pref.kagawa.lg.jp/kankyo/shizen/gairaisyu/index.htm

香川県希少野生生物保護対策検討会

香川県レッドデータブック (香川県の希少野生生物)

https://www.pref.kagawa.lg.jp/kankyo/shizen/gairaisyu/index.htm

環境省HP

2012

(高知のワニガメ)平成24年度特定動物の見直し検討会 参考資料2:特定動物に関する遺棄・逸走事例(地方自治体アンケート、新聞記事)

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/minaoshi/h24_02/mat05.pdf

環境省生物多様性センターHP

いきものログ

https://ikilog.biodic.go.jp/

川田英則

1982

香川県の爬虫類

香川生物1022-39

高知県

1954

渭南国立公園候補地学術調査報告書

高知県HP

2019

2章 高知の生きもの 爬虫類

生物多様性こうち戦略改訂版(案)https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030701/files/2019022100078/2syou.pdf

高知県HP

2016

「カミツキガメ」が発見されています

https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030701/2016051100246.html

高知新聞HP 

絶滅危惧種 世界最大級のウミカメ「オサカメ」が黒潮町定置網 に

https://www.kochinews.co.jp/article/288296/

高知新聞HP 

カンタロウ?実は南方のヘビ 高知市の高1、県内初発見

https://www.kochinews.co.jp/article/279627

松田久司

2014

愛媛県西部における爬虫類・両生類の観察記録(2006-2013年)

面河山岳博物館研究報告(6:41-52.

南伸也・篠崎誠・村上裕

2019

愛媛県に外来種ハナガメMauremys sinensis およびハナガメ交雑個体の目撃

南予生物、(19)79-81.

みんなでつくる自然史博物館香川編

2015

香川の自然ガイドマップ2寒霞渓の自然

https://www.pref.kagawa.lg.jp/kankyo/data/1511/file/151106/print_ura.pdf

日本爬虫両生類学会

2019

日本産爬虫両生類標準和名リスト(2019117日版)

http://herpetology.jp/wamei/index_j.php

日本ウミガメ協議会

2016

シンポジウム四国におけるウミガメ保護・調査の紹介

松沢慶将編:日本ウミガメ誌(第27回日本ウミガメ会議室戸大会会議録),pp.43-48. 日本ウミガメ協議会,大阪.

岡田純・戸田守

1999

タワヤモリの新産地

比婆科学,(189):1-12

岡山健二

2013

2012年愛媛県RDB調査で確認された爬虫類・両生類

面河山岳博物館研究報告(5):65-72.

岡山健二

2014

2013年愛媛県RDB調査で確認された爬虫類・両生類

面河山岳博物館研究報告(6:35-40.

岡山健仁・宇和孝・田辺真吾

2012

松山市産爬虫類目録(2)

松山市野生動植物目録 2012  :  29-32,

千石正一・疋田努・松井正文・仲谷一宏

1996

日本動物大百科第5巻 両生類・爬虫類・軟骨魚類

平凡社

四国新聞HP

まんのうの川でワニガメを捕獲 体長65センチ、体重20キロ

https://www.shikoku-np.co.jp/bl/digital_news/article.aspx?id=K2017110800000014300

末広喜与一

2001

新聞記事による香川県のウミガメ情報

香川生物.(28)15-22.

谷岡仁

2019

高知県沿岸部のヤモリ類の確認記録

四国自然史科学研究 (12):35-50.

谷岡仁

2019

四国地方のミナミヤモリの新産地

爬虫両棲類学会報 2019(2):169-171.

徳島県

2002

爬虫類

徳島県環境基本計画資料編:111-113

徳島県版レッドデータブック掲載種検討委員会編

2002

徳島県の絶滅のおそれのある野生生物 徳島県版レッドデータブック

徳島県県民環境部環境局循環型社会推進課自然共生室

徳島県立博物館HP標本情報

徳島県立博物館 - 動物資料詳細検索一覧

https://museum.tokushima-ec.ed.jp/srch/srch_muse_result.php

徳島新聞HP

レンコン畑にカミツキガメ 鳴門で繁殖の恐れ 2015/8/23

https://www.topics.or.jp/articles/-/6860

徳島新聞HP

吉野川にワニガメ 徳島市で釣り人が捕獲

https://www.topics.or.jp/articles/-/4358

土庄町立戸形小学校HP

 

新聞記事から

http://www.niji.or.jp/school/togate01/tayori/umigame.htm

 

 

From 14 Apr. 2020

Last update 8 May 2020

 

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