気温から飽和水蒸気圧を導く方法

温度と相対湿度から大気飽差を求めるのに必要な情報

大抵の温湿度計は、相対湿度を出力します。でもこれは実はあんまり使えない数値なので、応用の利く大気飽差などの値に換算してやります。大気飽差を算出するには、相対湿度とセットで測定した気温に基づいてその温度における飽和水蒸気圧を求めて、それに相対湿度をかけて大気水蒸気圧を得て、その値を飽和水蒸気圧から引くことになります。当たり前ですね。

でも、自動計測で何千点ものデータがある時は、飽和水蒸気圧をいちいち表から読み取っていたら大変です。っていうか、実行不能?そこで生物環境で実用的に使える近似式であるTetensの式を利用して、パソコン上で算出してしまいます。表計算ソフトで表現すると以下のようになります(Lotus 1-2-3 での例、OO.oやExcelでも読めますので適当に修正して下さい)。

0.611*@EXP(17.502*T/(T+240.97))

もちろん T が温度です。温度測定値のカラムの隣にこの式を並べて、T の部分を温度測定値のセル番地に置き換えてやれば、その温度における飽和水蒸気圧(kPa)が出ます。あとは好きに料理して下さい。

この項目については Campbell & Norman 著、久米篤ら訳の「生物環境物理学の基礎第2版」森北出版刊を参考にさせていただきました。